MM2Hビザ完全ガイド【2026年最新版】条件・費用・申請手順をわかりやすく解説

移住・ビザ

マレーシアへの長期移住を考えたとき、必ず耳にするのが「MM2H(エムエムツーエイチ)」というビザです。最長20年間マレーシアに滞在できる長期ビザとして、リタイア後の第二の故郷を探している人や、東南アジアでの新生活を夢見る人から注目を集めています

ただし、2023年の制度大改定によって申請条件が大幅に引き上げられ、「以前の情報のまま準備を進めていた」という方も少なくありません。

この記事では、2026年3月現在の最新情報をもとに、MM2Hの条件・費用・申請の流れを日本語でわかりやすく解説します。
これからMM2Hを検討する方の「最初の一冊」として、ぜひ参考にしてください。

⚠️ MM2Hの制度は変更されることがあります。必ず申請前にマレーシア観光省の公式サイトや代行会社で最新情報をご確認ください。


MM2H(マレーシア・マイセカンドホーム)とは?

MM2Hとは「Malaysia My Second Home」の略で、マレーシア政府が外国人向けに発行する長期マルチプルエントリービザです。
一度取得すると最長20年(5年×更新)マレーシアに滞在でき、観光ビザや就労ビザとは異なる「生活者」としての在留が認められます。

就労ビザ(Employment Pass)のように雇用主が必要なわけでもなく、観光ビザのように90日ごとに出国する必要もありません。資産を持つ外国人が「マレーシアをもう一つの自分の家にする」ためのビザ、それがMM2Hです。

MM2Hには3種類ある

実は「MM2H」と一口に言っても、3つの種類があります。

種類 管轄 主な特徴
一般MM2H 連邦政府(観光省) 最も有名・全国で有効・条件が厳しい
サラワクMM2H サラワク州政府 条件が比較的緩め・サラワク州内に滞在
サバMM2H サバ州政府 条件が緩め・コタキナバル在住に最適

この記事では最もポピュラーな一般MM2Hを中心に解説します。
サラワク・サバMM2Hについては記事後半でご紹介します。


一般MM2Hの最新条件(2026年版)

財政要件

MM2Hの最大のハードルが、この財政要件です。2023年の改定で条件が大幅に引き上げられ、以前と比べてかなり厳しくなりました。

50歳未満の場合

  • 月収証明:RM40,000以上(約156万円/月)
  • マレーシア国内銀行への定期預金:RM1,000,000以上(約3,900万円)

50歳以上の場合

  • 月収証明:RM40,000以上(約156万円/月)
  • マレーシア国内銀行への定期預金:RM500,000以上(約1,950万円)※退職年金も可

RM換算は1RM=39円(2026年3月現在)で計算しています。

定期預金はマレーシア国内の銀行に開設する必要があります。承認後に一定の条件を満たすことで一部引き出しも可能ですが、ビザ有効期間中は基本的に維持が必要です。

その他の条件

財政要件以外にも、以下の書類・条件が必要です。

  • パスポート:残存有効期限が14ヶ月以上あること
  • 健康診断書:マレーシア政府指定の医療機関で受診
  • 医療保険:マレーシアの保険会社または同等の保障を持つ海外保険への加入
  • 無犯罪証明書(警察証明書):日本の警察で発行してもらう書類(マレーシアへの短期滞在中に申請することも可能)

滞在義務(2023年改定で新設)

2023年の改定で新たに加わったのが「滞在義務」です。

ビザ有効期間(5年)ごとに、マレーシアへの累計滞在が90日以上必要となりました。年間換算にすると約18日以上。頻繁に日本や他国へ行き来する人にとっては、計画的な滞在管理が求められます。

以前はこのような義務がなかったため、「名義だけMM2H」のような使い方をしていた人への引き締めとも言われています。


MM2Hにかかる費用まとめ

申請には様々な費用がかかります。定期預金の「預け入れ」は将来戻ってくるお金ですが、それ以外の費用は実質的なコストです。

費用項目 金額目安
申請手数料(政府) RM5,000(本人)+同伴者1名につきRM2,500
ビザ発行料 RM500〜
健康診断費用 RM300〜500
医療保険(年間) RM2,000〜5,000程度
定期預金(預け入れ) RM500,000〜1,000,000
代行手数料(利用する場合) RM5,000〜20,000

※定期預金は「費用」ではなく「預け入れ」です。ビザ維持中は原則として引き出しができませんが、将来的に受け取れるお金です。

申請費用(定期預金を除く)だけでも、代行利用の場合は初年度にRM13,000〜30,000(約50万〜120万円)程度かかることを念頭に置いておきましょう。


申請の流れ(8ステップ)

MM2Hの申請はオンライン(MM2Hポータルサイト)から行います。
以下の8つのステップで進めていきます。

Step 1|事前準備
財政要件を自分が満たせるか確認します。月収・資産状況を整理し、必要書類のリストを作成します。
Step 2|必要書類の収集
パスポートコピー・収入証明・健康診断書・警察証明書など、必要書類を日本とマレーシアの両方で収集します。書類は英語または公証付きの翻訳が必要なものもあります。
Step 3|オンライン申請
マレーシア観光省のMM2Hポータルサイトにアカウントを作成し、申請フォームの記入と書類をアップロードします。
Step 4|審査期間(3〜6ヶ月)
申請後、政府による審査が行われます。2026年現在、通常3〜6ヶ月かかります。この間は追加書類の提出を求められる場合もあります。
Step 5|承認通知の受領
メールで承認通知が届きます。通知後、指定された期間内に次のStep 6・7を完了させる必要があります。
Step 6|マレーシア国内銀行口座の開設と定期預金の入金
承認後、マレーシアに入国してマレーシア国内銀行の口座を開設し、指定額の定期預金(FD)を入金します。口座開設は現地での手続きが基本ですが、一部の銀行はオンライン対応も可能です。
Step 7|ビザ貼付
マレーシア入国管理局の指定機関でパスポートへのビザスタンプを受け取ります。
Step 8|入国・生活スタート
ビザ取得後はマレーシアでの長期生活が始まります。滞在義務(5年で累計90日以上)を意識しながら過ごしましょう。


MM2Hのメリット・デメリット

メリット

長期安定滞在ができる
最長20年間(5年×更新)、マレーシアに安定して滞在できます。観光ビザのように数ヶ月ごとに出国する必要がなく、生活の基盤をしっかり築けます。
家族も一緒に滞在できる
配偶者・子ども(21歳以下)も同伴ビザで申請できます。家族でマレーシアに移住したい場合も安心です。

⚠️ 両親の同伴可否は2023年改定後の制度変更で条件が変わっている可能性があります。申請前に代行会社または観光省公式サイトで必ずご確認ください。

特典が充実している
車の輸入関税免除(1台)、コンドミニアム購入時の最低価格制限の緩和、マレーシア国内での投資活動が認められるなど、生活を豊かにする特典があります。
医療コストが安い
マレーシアの民間医療は日本と遜色ない水準ながら、費用は大幅に安く抑えられます。老後の医療費が心配な方にとって大きなメリットです。

📌 関連記事:マレーシアのインターナショナルスクール完全ガイドクアラルンプールのおすすめ居住エリアと家賃相場

デメリット

財政要件のハードルが高い
2023年の改定で条件が大幅に引き上げられ、以前は定期預金RM150,000程度だったものが、50歳以上でもRM500,000以上になりました。資産のある方でないと難しくなっています。

就労が原則禁止
MM2Hは滞在ビザであり、就労は認められていません。在宅ワークやフリーランスはグレーゾーンとされており、現地での収入を得る仕事はできません。

滞在義務がある
5年間で累計90日以上の滞在が必要です。日本と行き来する頻度が多い場合は、計画的な管理が必要です。

申請に時間がかかる
審査に3〜6ヶ月かかるため、「来月から移住したい」という急ぎの計画には向きません。早めの準備が大切です。


自分で申請する vs 代行会社に依頼する

自己申請のメリット・デメリット

メリット:代行手数料(RM5,000〜20,000)が節約できる

デメリット:英語での手続き・書類準備の手間がかかる。書類不備で審査が長引くリスクがある

代行会社利用のメリット・デメリット

メリット:書類ミスが減る。日本語で相談できる会社もある。申請の手間が大幅に減る

デメリット:費用がかかる(RM5,000〜20,000=約20万〜80万円)

代行会社を選ぶポイント

  1. 実績・口コミ:過去の申請成功実績があるか確認する
  2. 日本語対応:日本人スタッフがいると安心
  3. 費用の透明性:追加費用が発生しないか事前に確認する
  4. アフターサポート:ビザ取得後の更新や問題発生時の対応があるか

初めてMM2Hを申請する場合、書類の複雑さを考えると代行会社の利用がおすすめです。特に英語に自信がない方、書類準備に時間をかけられない方は積極的に活用しましょう。


一般MM2Hが難しい場合の選択肢:サラワク・サバMM2H

一般MM2Hの財政条件(定期預金RM500,000〜1,000,000)は、多くの方にとってハードルが高いのが現実です。そんな方には、各州が独自に運営するサラワクMM2HサバMM2Hが選択肢になります。

サラワクMM2H

マレーシア・ボルネオ島西部のサラワク州が発行するビザです。定期預金の要件が一般MM2Hより低く設定されており(2026年現在、RM350,000〜が目安)、申請のハードルが下がります。ただし、滞在はサラワク州内に限定されます。クチン(Kuching)など、自然豊かな街に住みたい方に人気です。

サバMM2H

ボルネオ島北部のサバ州が発行するビザです。コタキナバルでの暮らしを希望する方に人気で、一般MM2Hより条件が緩やかです。滞在はサバ州内に限定されますが、海・山・自然に恵まれた環境で生活できます。

📌 コタキナバルに興味のある方はこちら:コタキナバル旅行完全ガイド

州MM2Hはそれぞれ条件が異なり、制度の変更も頻繁にあるため、申請前に各州政府の公式サイトや代行会社で最新情報を確認してください。


まとめ:MM2Hは「準備と資産のある人」のためのビザ

MM2Hは、マレーシアを第二の故郷にしたい方にとって非常に魅力的なビザです。長期安定滞在・家族同伴・各種特典と、メリットは多くあります。

ただし、2023年の改定で財政要件が大幅に引き上げられ、誰でも気軽に申請できるビザではなくなりました。申請前に必ず以下を確認しましょう。

  • 定期預金の要件(50歳未満:RM1,000,000 / 50歳以上:RM500,000)を満たせるか
  • 月収証明(RM40,000以上)を用意できるか
  • 5年間で累計90日以上マレーシアに滞在できるか

条件をクリアできそうな方は、早めに代行会社に相談して準備を始めるのがおすすめです。

📌 マレーシアでの生活準備はこちらも参考に:
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